2013年11月07日
第5回 里美の場合vol.2
里美の場合・・・vol.1はこちら
里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
◆ある退社後の夜/
仕事後、高校の同窓会会場の下見に行った。幹事なので。よく同窓会の幹事を頼まれる。周りから向いていると思われており、幹事をやれとよく言われる。めんどくさいと思うが、久々に会う人と一緒にやるのはなんだかんだで面白いのでやっている。
会場の下見の後、幹事仲間と飲みに行く。高校時代の昔話などをする。楽しい。2時間ほど飲む。

高校時代の同級生に会うと、時間が戻ったようで日常からはなれて楽しく話せる。話した後は気持ちがスッキリする。

よく同窓会の幹事を引き受ける里美さん。自分でも面白いと感じていますが、脳にとっては面白い以上に価値のある時間です。
私たちの脳は、過去を思い出しているときに、同時に未来を想像しています。逆に、未来を想像するときは、過去を思い出しています。例えば、新年の抱負を言うときには「(昨年は○○ができなかったから)今年は○○を達成する!」というように、( )内の部分を思い出してから、それにしたがって未来の行動を計画するという仕組みなのです。
脳の中では、過去を思い出しているときも、未来を想像しているときも、内側前頭葉、内側側頭葉、内側頭頂葉によってつくられる、「内側ネットワーク」が活発になります。

内側側頭葉は、過去の記憶を貯蔵している部位です。内側頭頂葉は、見たり聞いたり触ったりした感覚を司っています。そして、内側前頭葉は、未来の行動を計画しています。過去の記憶と、そのときどんな感じだったかという感覚を照合し、それにしたがって未来の行動計画を立てるというように、脳の中で連携をしているのです。
さて、里美さん。面白いから引き受けている同窓会の幹事は、脳にとっては、これからどんな生活をしていこうかと考えるという作用があります。自分のやりたいことや、今やるべきこと、自分しかできないことを模索しながら、これからの自分を考えようとすると、「一体自分は何がしたいんだろう・・・」と分からなくなってしまうことがあります。またそんなときは、頑張ろうと思うほど空回りしてしまって、何をやってもうまくいかないと思ってしまいがちです。
「未来が見えないな・・・」と思ったら、そのときは、脳の中の過去がうまく整理されていません。過去の記憶は非常にあいまいで、気分によって美しい記憶に飾り付けされたり、思い出したくない記憶に加工されたりします。あいまいな記憶のままでは、あいまいな未来しか想像できません。
そんなとき、自分のことを客観的に見てきた友人たちの話から、記憶が整理されると、これから先のことが見えてきて、気持ちがスッキリすることがあります。脳にとって、懐かしい友人たちとの会話は、自分らしく生きるための活動でもあるのです。
NEWS ◇著者新刊のお知らせ◇
コラム「クセ活用術」の著者・菅原洋平さんの新著が、2013年11月2日に発行されました。

『仕事力が上がる 睡眠の超技法』
(祥伝社/1365円)
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菅原さんによる、【起きている間の能力を活かすための睡眠】は必読です!
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高校時代の同級生に会うと、時間が戻ったようで日常からはなれて楽しく話せる。話した後は気持ちがスッキリする。

よく同窓会の幹事を引き受ける里美さん。自分でも面白いと感じていますが、脳にとっては面白い以上に価値のある時間です。
私たちの脳は、過去を思い出しているときに、同時に未来を想像しています。逆に、未来を想像するときは、過去を思い出しています。例えば、新年の抱負を言うときには「(昨年は○○ができなかったから)今年は○○を達成する!」というように、( )内の部分を思い出してから、それにしたがって未来の行動を計画するという仕組みなのです。
脳の中では、過去を思い出しているときも、未来を想像しているときも、内側前頭葉、内側側頭葉、内側頭頂葉によってつくられる、「内側ネットワーク」が活発になります。

内側側頭葉は、過去の記憶を貯蔵している部位です。内側頭頂葉は、見たり聞いたり触ったりした感覚を司っています。そして、内側前頭葉は、未来の行動を計画しています。過去の記憶と、そのときどんな感じだったかという感覚を照合し、それにしたがって未来の行動計画を立てるというように、脳の中で連携をしているのです。
さて、里美さん。面白いから引き受けている同窓会の幹事は、脳にとっては、これからどんな生活をしていこうかと考えるという作用があります。自分のやりたいことや、今やるべきこと、自分しかできないことを模索しながら、これからの自分を考えようとすると、「一体自分は何がしたいんだろう・・・」と分からなくなってしまうことがあります。またそんなときは、頑張ろうと思うほど空回りしてしまって、何をやってもうまくいかないと思ってしまいがちです。
「未来が見えないな・・・」と思ったら、そのときは、脳の中の過去がうまく整理されていません。過去の記憶は非常にあいまいで、気分によって美しい記憶に飾り付けされたり、思い出したくない記憶に加工されたりします。あいまいな記憶のままでは、あいまいな未来しか想像できません。
そんなとき、自分のことを客観的に見てきた友人たちの話から、記憶が整理されると、これから先のことが見えてきて、気持ちがスッキリすることがあります。脳にとって、懐かしい友人たちとの会話は、自分らしく生きるための活動でもあるのです。
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Posted by 日刊いーしず at 12:00