2014年02月06日
第11回 里美の場合vol.4
里美の場合・・・過去の記事はこちら。 里美vol.1/里美vol.2/里美vol.3
里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。

・何かを自分で作りたい、と思う気持ちが強くある。それが何なのか、何ができるかわからないけれど、自分が「いいな」と思うものを作ったり集めたりしたい。そういうことに携わりたい。そう思って、夏季休暇を移用してスウェーデンの学校に一週間通って、布を染めたりするコースを学ぶことにした。
・雑誌の切り抜き(自分の好きなものがのっている)を集めている。
・山の方、自然の中、緑の中で暮らしたいと強く思う。
・部屋に花びんを置いて、葉っぱを育てている

きれいな物、自分の好きな物に囲まれて暮らしたい。
そんな思いを持つ方は多いのではないでしょうか。
私たちの脳は、きれいな物を見るとどんな反応をするのでしょうか。
きれいな物や美しい景色、きれいな絵画や人の顔などを見たときは、脳の前方にある前頭葉の下、眼窩部が活発になります。
この部位が障害されると、食事をしようとさえしなくなってしまいます。
前頭葉の眼窩部は、人間の根本的な意欲(発動性と呼ばれます)を司っています。

この前頭葉眼窩部は、活発になったときに脳が「報酬」だと感知して、さらにその行動を強化するサイクルを生み出します。
脳が「報酬」として受け取るのは次の3種類に分かれます。
1 条件づけなどに関連する学習部分
2 好みや快などに関連する感情部分
3 欲求や目標設定などに関連する動機成分
きれいな物を見たときの報酬は②です。
「いいなー」「きれいだなー」という快の感情によって、私たちはいつまで見ていても飽きない、ということになります。
さらに、きれいな物を見るのは、創造性を生み出すことにもつながると考えられています。
創造性の高い人は、きれいな物を見たときに、空間認知に関わる下頭頂葉の活動が低く、前頭前野の活動が活発に。
これは、物を見たままとらえるより、脳の中で加工して新しいものを生み出しているということです。この脳の働きは、教育を受けることによって活発になります。「きれい」を見て、そこから創造性を発揮することは、トレーニングできるということですね。
さて、里美さんは、新たなチャレンジを試みています。教室に通うことで、より「きれい」が見られるようになり、そこからさらに暮らしを良くするアイデアがひらめくようになりそう。
Vol.1でもご紹介したように、里美さんは、物事を理解するのに「視覚」を強く活用するタイプ。
よりバランスよく充実するためには、手の感触など「体性感覚」を使うと良いということでした。
染物の教室は最適な選択ですね!
きれいな物に囲まれるとやる気が出る。また、それはトレーニングできるということが分かった里美さんは、これからますます、自分らしい生活を実現できそうです。
里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。

・何かを自分で作りたい、と思う気持ちが強くある。それが何なのか、何ができるかわからないけれど、自分が「いいな」と思うものを作ったり集めたりしたい。そういうことに携わりたい。そう思って、夏季休暇を移用してスウェーデンの学校に一週間通って、布を染めたりするコースを学ぶことにした。
・雑誌の切り抜き(自分の好きなものがのっている)を集めている。
・山の方、自然の中、緑の中で暮らしたいと強く思う。
・部屋に花びんを置いて、葉っぱを育てている

きれいな物、自分の好きな物に囲まれて暮らしたい。
そんな思いを持つ方は多いのではないでしょうか。
私たちの脳は、きれいな物を見るとどんな反応をするのでしょうか。
きれいな物や美しい景色、きれいな絵画や人の顔などを見たときは、脳の前方にある前頭葉の下、眼窩部が活発になります。
この部位が障害されると、食事をしようとさえしなくなってしまいます。
前頭葉の眼窩部は、人間の根本的な意欲(発動性と呼ばれます)を司っています。

この前頭葉眼窩部は、活発になったときに脳が「報酬」だと感知して、さらにその行動を強化するサイクルを生み出します。
脳が「報酬」として受け取るのは次の3種類に分かれます。
1 条件づけなどに関連する学習部分
2 好みや快などに関連する感情部分
3 欲求や目標設定などに関連する動機成分
きれいな物を見たときの報酬は②です。
「いいなー」「きれいだなー」という快の感情によって、私たちはいつまで見ていても飽きない、ということになります。
さらに、きれいな物を見るのは、創造性を生み出すことにもつながると考えられています。
創造性の高い人は、きれいな物を見たときに、空間認知に関わる下頭頂葉の活動が低く、前頭前野の活動が活発に。
これは、物を見たままとらえるより、脳の中で加工して新しいものを生み出しているということです。この脳の働きは、教育を受けることによって活発になります。「きれい」を見て、そこから創造性を発揮することは、トレーニングできるということですね。
さて、里美さんは、新たなチャレンジを試みています。教室に通うことで、より「きれい」が見られるようになり、そこからさらに暮らしを良くするアイデアがひらめくようになりそう。
Vol.1でもご紹介したように、里美さんは、物事を理解するのに「視覚」を強く活用するタイプ。
よりバランスよく充実するためには、手の感触など「体性感覚」を使うと良いということでした。
染物の教室は最適な選択ですね!
きれいな物に囲まれるとやる気が出る。また、それはトレーニングできるということが分かった里美さんは、これからますます、自分らしい生活を実現できそうです。
NEWS ◇著者新刊のお知らせ◇
コラム「クセ活用術」の著者・菅原洋平さんの新著が、2014年1月31日に発行されました。

『ここぞというときに力が出せる睡眠の3鉄則』
(主婦と生活社/1365円)
科学的な根拠に基づいて、3つのことをやめる。
それだけで、眠るのが楽しくなってくる!?
楽しめる眠りと充実した人生、どちらもほしい人は必読です!
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Posted by 日刊いーしず at 12:00
2013年12月19日
第8回 里美の場合vol.3
里美の場合・・・過去の記事はこちら。 里美vol.1/里美vol.2
里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
◆ある1日の様子/
・旦那さんが出張で不在の時、何もやる気が出なくなる。何もしないで部屋でテレビだけを見て夜更かしをしてしまう。

旦那さんがいるときは家事などもまったくイヤではなくできるのに、ひとりのときはスイッチが入らない。そんなときでも、仕事のスイッチは会社に来るとすぐに入る。常にやる気がなくなるわけではないのに、どうしてひとりになると体が動かなくなってしまんだろう。

いつもは仕事も家事も難なくこなせる里美さん。ひとりの時間になるとなぜかやる気がなくなってしまう。これは、性格や意思の強さではなく、脳のクセが原因です。
脳がやる気になるには、ある条件があります。
脳は、「50%は経験済みだけど、残りの50%はやってみないと分からない」という状況でやる気になります。これは『発達の最近接領域』と呼ばれ、私たちが日々成長するためにとても重要な脳のクセです。
経験済みのことを前にすると、脳は、それをやれば結果がどうなるのか、おおむね予測が立ちます。脳が結果を予測できる行動は、すでに脳の中では「自動化」された行動です。何も考えずに実行することができるので、「退屈」してしまい、やる気は起こりません。
一方で、経験済みのことが極端に少ない課題に直面したときは、全然予測が立ちません。脳が予測できない状況を、私たちは「ストレス」と呼びます。何から手を付けて良いのかわからない状況になるとストレスを感じてイライラしたり無気力になるなど、やる気は起こりません。
例えば、共同作業をするときに、相手から一方的にやり方を押しつけられる場合は、予測できないことが多いのでストレスを感じ、やる気が起こりません。でも、相手が自分のやり方に全然関心を持たない場合でも、退屈になってしまい、やる気が起こらないというわけです。
何か新しいことに挑戦するときは、いつも一緒にいる人にサポートしてもらう。いつも同じ作業でマンネリ化しているときは、いつもと違う人とペアで作業をしてみる。このようなちょっとした工夫をすれば、脳は無理なくやる気になります。

さて、里美さんがいつも難なく目の前のことをこなせているのは、自分だけで解決できることに旦那さんや職場の人が予想外のことを持ちかける可能性がある状況、つまり『発達の最近接領域』にあるからです。
旦那さんは、自分のやり方を強く要求したり、または里美さんのやり方に完全に無関心なわけではないので、適度に「やってみないと分からない」状況をつくってくれているパートナーだと言えます。
日常的に『発達の最近接領域』を作られている要因がなくなると、パタッとやる気がなくなってしまう。旦那さんがいないと何もやる気が出ない。でも、仕事場に行けばすぐにやる気になる。
これは、気のゆるみではなく、脳のクセが影響していたということです。自分にとって『発達の最近接領域』をつくってくれる人を、大切にしたいですね。
里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
◆ある1日の様子/
・旦那さんが出張で不在の時、何もやる気が出なくなる。何もしないで部屋でテレビだけを見て夜更かしをしてしまう。

旦那さんがいるときは家事などもまったくイヤではなくできるのに、ひとりのときはスイッチが入らない。そんなときでも、仕事のスイッチは会社に来るとすぐに入る。常にやる気がなくなるわけではないのに、どうしてひとりになると体が動かなくなってしまんだろう。

いつもは仕事も家事も難なくこなせる里美さん。ひとりの時間になるとなぜかやる気がなくなってしまう。これは、性格や意思の強さではなく、脳のクセが原因です。
脳がやる気になるには、ある条件があります。
脳は、「50%は経験済みだけど、残りの50%はやってみないと分からない」という状況でやる気になります。これは『発達の最近接領域』と呼ばれ、私たちが日々成長するためにとても重要な脳のクセです。
経験済みのことを前にすると、脳は、それをやれば結果がどうなるのか、おおむね予測が立ちます。脳が結果を予測できる行動は、すでに脳の中では「自動化」された行動です。何も考えずに実行することができるので、「退屈」してしまい、やる気は起こりません。
一方で、経験済みのことが極端に少ない課題に直面したときは、全然予測が立ちません。脳が予測できない状況を、私たちは「ストレス」と呼びます。何から手を付けて良いのかわからない状況になるとストレスを感じてイライラしたり無気力になるなど、やる気は起こりません。
例えば、共同作業をするときに、相手から一方的にやり方を押しつけられる場合は、予測できないことが多いのでストレスを感じ、やる気が起こりません。でも、相手が自分のやり方に全然関心を持たない場合でも、退屈になってしまい、やる気が起こらないというわけです。
何か新しいことに挑戦するときは、いつも一緒にいる人にサポートしてもらう。いつも同じ作業でマンネリ化しているときは、いつもと違う人とペアで作業をしてみる。このようなちょっとした工夫をすれば、脳は無理なくやる気になります。

さて、里美さんがいつも難なく目の前のことをこなせているのは、自分だけで解決できることに旦那さんや職場の人が予想外のことを持ちかける可能性がある状況、つまり『発達の最近接領域』にあるからです。
旦那さんは、自分のやり方を強く要求したり、または里美さんのやり方に完全に無関心なわけではないので、適度に「やってみないと分からない」状況をつくってくれているパートナーだと言えます。
日常的に『発達の最近接領域』を作られている要因がなくなると、パタッとやる気がなくなってしまう。旦那さんがいないと何もやる気が出ない。でも、仕事場に行けばすぐにやる気になる。
これは、気のゆるみではなく、脳のクセが影響していたということです。自分にとって『発達の最近接領域』をつくってくれる人を、大切にしたいですね。
Posted by 日刊いーしず at 12:00
2013年11月07日
第5回 里美の場合vol.2
里美の場合・・・vol.1はこちら
里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
◆ある退社後の夜/
仕事後、高校の同窓会会場の下見に行った。幹事なので。よく同窓会の幹事を頼まれる。周りから向いていると思われており、幹事をやれとよく言われる。めんどくさいと思うが、久々に会う人と一緒にやるのはなんだかんだで面白いのでやっている。
会場の下見の後、幹事仲間と飲みに行く。高校時代の昔話などをする。楽しい。2時間ほど飲む。

高校時代の同級生に会うと、時間が戻ったようで日常からはなれて楽しく話せる。話した後は気持ちがスッキリする。

よく同窓会の幹事を引き受ける里美さん。自分でも面白いと感じていますが、脳にとっては面白い以上に価値のある時間です。
私たちの脳は、過去を思い出しているときに、同時に未来を想像しています。逆に、未来を想像するときは、過去を思い出しています。例えば、新年の抱負を言うときには「(昨年は○○ができなかったから)今年は○○を達成する!」というように、( )内の部分を思い出してから、それにしたがって未来の行動を計画するという仕組みなのです。
脳の中では、過去を思い出しているときも、未来を想像しているときも、内側前頭葉、内側側頭葉、内側頭頂葉によってつくられる、「内側ネットワーク」が活発になります。

内側側頭葉は、過去の記憶を貯蔵している部位です。内側頭頂葉は、見たり聞いたり触ったりした感覚を司っています。そして、内側前頭葉は、未来の行動を計画しています。過去の記憶と、そのときどんな感じだったかという感覚を照合し、それにしたがって未来の行動計画を立てるというように、脳の中で連携をしているのです。
さて、里美さん。面白いから引き受けている同窓会の幹事は、脳にとっては、これからどんな生活をしていこうかと考えるという作用があります。自分のやりたいことや、今やるべきこと、自分しかできないことを模索しながら、これからの自分を考えようとすると、「一体自分は何がしたいんだろう・・・」と分からなくなってしまうことがあります。またそんなときは、頑張ろうと思うほど空回りしてしまって、何をやってもうまくいかないと思ってしまいがちです。
「未来が見えないな・・・」と思ったら、そのときは、脳の中の過去がうまく整理されていません。過去の記憶は非常にあいまいで、気分によって美しい記憶に飾り付けされたり、思い出したくない記憶に加工されたりします。あいまいな記憶のままでは、あいまいな未来しか想像できません。
そんなとき、自分のことを客観的に見てきた友人たちの話から、記憶が整理されると、これから先のことが見えてきて、気持ちがスッキリすることがあります。脳にとって、懐かしい友人たちとの会話は、自分らしく生きるための活動でもあるのです。
NEWS ◇著者新刊のお知らせ◇
コラム「クセ活用術」の著者・菅原洋平さんの新著が、2013年11月2日に発行されました。

『仕事力が上がる 睡眠の超技法』
(祥伝社/1365円)
眠りの習慣をほんの少し変えるだけで仕事力がアップ!?
企業や医療現場で実証済みの「スリープ・マネジメント」とは?
菅原さんによる、【起きている間の能力を活かすための睡眠】は必読です!
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里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
◆ある退社後の夜/
仕事後、高校の同窓会会場の下見に行った。幹事なので。よく同窓会の幹事を頼まれる。周りから向いていると思われており、幹事をやれとよく言われる。めんどくさいと思うが、久々に会う人と一緒にやるのはなんだかんだで面白いのでやっている。
会場の下見の後、幹事仲間と飲みに行く。高校時代の昔話などをする。楽しい。2時間ほど飲む。

高校時代の同級生に会うと、時間が戻ったようで日常からはなれて楽しく話せる。話した後は気持ちがスッキリする。

よく同窓会の幹事を引き受ける里美さん。自分でも面白いと感じていますが、脳にとっては面白い以上に価値のある時間です。
私たちの脳は、過去を思い出しているときに、同時に未来を想像しています。逆に、未来を想像するときは、過去を思い出しています。例えば、新年の抱負を言うときには「(昨年は○○ができなかったから)今年は○○を達成する!」というように、( )内の部分を思い出してから、それにしたがって未来の行動を計画するという仕組みなのです。
脳の中では、過去を思い出しているときも、未来を想像しているときも、内側前頭葉、内側側頭葉、内側頭頂葉によってつくられる、「内側ネットワーク」が活発になります。

内側側頭葉は、過去の記憶を貯蔵している部位です。内側頭頂葉は、見たり聞いたり触ったりした感覚を司っています。そして、内側前頭葉は、未来の行動を計画しています。過去の記憶と、そのときどんな感じだったかという感覚を照合し、それにしたがって未来の行動計画を立てるというように、脳の中で連携をしているのです。
さて、里美さん。面白いから引き受けている同窓会の幹事は、脳にとっては、これからどんな生活をしていこうかと考えるという作用があります。自分のやりたいことや、今やるべきこと、自分しかできないことを模索しながら、これからの自分を考えようとすると、「一体自分は何がしたいんだろう・・・」と分からなくなってしまうことがあります。またそんなときは、頑張ろうと思うほど空回りしてしまって、何をやってもうまくいかないと思ってしまいがちです。
「未来が見えないな・・・」と思ったら、そのときは、脳の中の過去がうまく整理されていません。過去の記憶は非常にあいまいで、気分によって美しい記憶に飾り付けされたり、思い出したくない記憶に加工されたりします。あいまいな記憶のままでは、あいまいな未来しか想像できません。
そんなとき、自分のことを客観的に見てきた友人たちの話から、記憶が整理されると、これから先のことが見えてきて、気持ちがスッキリすることがあります。脳にとって、懐かしい友人たちとの会話は、自分らしく生きるための活動でもあるのです。
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コラム「クセ活用術」の著者・菅原洋平さんの新著が、2013年11月2日に発行されました。

『仕事力が上がる 睡眠の超技法』
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眠りの習慣をほんの少し変えるだけで仕事力がアップ!?
企業や医療現場で実証済みの「スリープ・マネジメント」とは?
菅原さんによる、【起きている間の能力を活かすための睡眠】は必読です!
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Posted by 日刊いーしず at 12:00
2013年09月19日
第2回 里美の場合vol.1
◆里美の場合 vol.1
里美、34歳 会社員 既婚、子どもなし
仕事は事務職で、営業マンのサポートを行っている。営業マンとサポートスタッフのチーム。チームの中ではベテランで、営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
仕事とは別に、何かを自分で作りたい、と思う気持ちが強くある。それが何なのか、何ができるかわからないけれど、自分が「いいな」と思うものを作ったり集めたりしたい。そういうことに携わりたい。そう思って、この夏は海外の学校に一週間通って、布を染めるコースを学ぶことにした。山の方、自然の中、緑の中で暮らしたいと強く思う。自分が好きな写真を雑誌で見つけると切り抜いて集めている。

【里美のとある朝の様子】
いつもは7時起床だが今日はめずらしく6時30分に目が覚めた。すぐには起き上がらず、少しうとうとしてから起きる。
いつものとおり、炊飯器のスイッチを入れ、洗濯機を回し、自分と旦那の弁当をつくる。
スリッパが嫌いで、家にいるときはできるだけ裸足で歩きたい。でも、そうすると旦那に「不潔だからやめて」と怒られる。
先に出勤する旦那を送り出した後、ラジオを聞きながら朝食。朝はいつもラジオをつけっぱなしでテレビはつけない。食事の後、洗顔、化粧、着替え。
その日着る服は、着替えるその時に決める。今朝は一度服を着た後、何か違うなあと思って服を替えた。着る服は、黒っぽいものを選びがち。ピンクなど明るい色の服も持っているのに、いざ着ようとすると「無理だな、違うな」と思ってしまう。

その後、洗濯物を干し、部屋を片付けてゴミを集めて家を出る。家を出るのは9時。始業が9時30分なのでギリギリだが、いつもこのくらい。早めに起きているのに毎朝ギリギリになってしまう。

私たちの脳は、物事を判断するときに、外から情報を仕入れなければいけません。外から脳に情報が入るための入り口は、3つあります。①視覚(見ること)②聴覚(聞くこと)③体性感覚(触ったり、体を動かすこと)です。
※五感の中の嗅覚、味覚は、特殊な感覚なので、ここでは上記の3つを対象にします。
この3つの入り口のうち、どの入り口が大きいかは、皆さんそれぞれ違います。

例えば、好きな人や恋人、夫婦で相手のことを「いいなー」と感じるときは、次のどれですか?
①相手のファッションや外見を見ているとき

②相手の話や声を聴いているとき

③手をつないだり、体が触れているとき

①の人は、視覚の入り口が大きなタイプ。風景や美術館を鑑賞することが好きで、色や形を眺めることで感動します。相手の洋服の色や形、模様などに注目してほめることが多いです。自分の洋服でも柄やロゴが気に入ったり、CDやスナック菓子、お酒などのジャケ買いをすることがあります。
②の人は、聴覚の入り口が大きなタイプ。ラジオや音楽鑑賞が好きで、人の声や話からの抑揚、テンポに心地よさを感じます。相手の声、話し方、口癖、イントネーションに注目し、それに対して親近感や嫌悪感を抱くことが多いです。CMのフレーズを良く覚えて思わず口ずさんだり、関西出身でもないのに関西弁っぽい話し方をするときがあるなど人の話し方がうつってしまうこともあります。
③の人は、体性感覚(触覚、体の動き)の入り口が大きなタイプ。手工芸やスポーツが好きで、手触りや質感、体の動きを感じることでスッキリします。相手の身に着けているものの素材に注目したり、しぐさや姿勢に注目してほめることが多いです。「ふわっと」「シャキッ」などの擬音語のコピーの商品に魅力を感じてを買うことがが多く、人にスポーツを教えるときも、相手のフォームの観察や言葉で説明するよりも、とりあえずやってみせることが多いです。
みなさんは、どのタイプでしたか?
人それぞれ、どの感覚の入り口が大きいのかは違いますが、3つそれぞれの入り口を使って、脳内の情報のバランスをとっています。
さて、里美さんは、何かを作りたい、染め物のコースにした、裸足で歩きたい、という欲求があることから、③の体性感覚の入り口が大きなタイプ。今の生活は、雑誌の切り抜きを集めたり、ラジオをつけっぱなしにして①視覚、②聴覚の情報が入るようになっていますが、里美さんの脳は、「③の体性感覚(触ったり体を動かしたりする)が刺激されることがもっとあればなー」と感じている様子です。
いつも黒っぽい洋服を選びがちな里美さん。ピンクの服を買ってはみるものの、なんか違うなーといつも着替えてしまう。これは①の視覚を基準にして選んだ場合ですね。
そこで、里美さんの脳に不足がちな③の体性感覚を基準に選んでみましょう。ピンクの服の素材や型はどうでしょうか。イマイチ着心地がしっくりこないのは、色のせいではないのかもしれません。
いつもの黒い服はどんなところが好きですか? 「さらっとした素材」「軽い」「動きやすい」など、の基準にあてはまるピンクの洋服ならしっくりくると思います。
生活の中で、「○○したいなー」と思ったら、それは視覚、聴覚、体性感覚のどれを欲しているのか。それが分かると、上手に素敵なものが選べて、自分らしいスタイルがつくれそうですね。
里美、34歳 会社員 既婚、子どもなし
仕事は事務職で、営業マンのサポートを行っている。営業マンとサポートスタッフのチーム。チームの中ではベテランで、営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
仕事とは別に、何かを自分で作りたい、と思う気持ちが強くある。それが何なのか、何ができるかわからないけれど、自分が「いいな」と思うものを作ったり集めたりしたい。そういうことに携わりたい。そう思って、この夏は海外の学校に一週間通って、布を染めるコースを学ぶことにした。山の方、自然の中、緑の中で暮らしたいと強く思う。自分が好きな写真を雑誌で見つけると切り抜いて集めている。

【里美のとある朝の様子】
いつもは7時起床だが今日はめずらしく6時30分に目が覚めた。すぐには起き上がらず、少しうとうとしてから起きる。
いつものとおり、炊飯器のスイッチを入れ、洗濯機を回し、自分と旦那の弁当をつくる。
スリッパが嫌いで、家にいるときはできるだけ裸足で歩きたい。でも、そうすると旦那に「不潔だからやめて」と怒られる。
先に出勤する旦那を送り出した後、ラジオを聞きながら朝食。朝はいつもラジオをつけっぱなしでテレビはつけない。食事の後、洗顔、化粧、着替え。
その日着る服は、着替えるその時に決める。今朝は一度服を着た後、何か違うなあと思って服を替えた。着る服は、黒っぽいものを選びがち。ピンクなど明るい色の服も持っているのに、いざ着ようとすると「無理だな、違うな」と思ってしまう。

その後、洗濯物を干し、部屋を片付けてゴミを集めて家を出る。家を出るのは9時。始業が9時30分なのでギリギリだが、いつもこのくらい。早めに起きているのに毎朝ギリギリになってしまう。

私たちの脳は、物事を判断するときに、外から情報を仕入れなければいけません。外から脳に情報が入るための入り口は、3つあります。①視覚(見ること)②聴覚(聞くこと)③体性感覚(触ったり、体を動かすこと)です。
※五感の中の嗅覚、味覚は、特殊な感覚なので、ここでは上記の3つを対象にします。
この3つの入り口のうち、どの入り口が大きいかは、皆さんそれぞれ違います。

例えば、好きな人や恋人、夫婦で相手のことを「いいなー」と感じるときは、次のどれですか?
①相手のファッションや外見を見ているとき

②相手の話や声を聴いているとき

③手をつないだり、体が触れているとき

①の人は、視覚の入り口が大きなタイプ。風景や美術館を鑑賞することが好きで、色や形を眺めることで感動します。相手の洋服の色や形、模様などに注目してほめることが多いです。自分の洋服でも柄やロゴが気に入ったり、CDやスナック菓子、お酒などのジャケ買いをすることがあります。
②の人は、聴覚の入り口が大きなタイプ。ラジオや音楽鑑賞が好きで、人の声や話からの抑揚、テンポに心地よさを感じます。相手の声、話し方、口癖、イントネーションに注目し、それに対して親近感や嫌悪感を抱くことが多いです。CMのフレーズを良く覚えて思わず口ずさんだり、関西出身でもないのに関西弁っぽい話し方をするときがあるなど人の話し方がうつってしまうこともあります。
③の人は、体性感覚(触覚、体の動き)の入り口が大きなタイプ。手工芸やスポーツが好きで、手触りや質感、体の動きを感じることでスッキリします。相手の身に着けているものの素材に注目したり、しぐさや姿勢に注目してほめることが多いです。「ふわっと」「シャキッ」などの擬音語のコピーの商品に魅力を感じてを買うことがが多く、人にスポーツを教えるときも、相手のフォームの観察や言葉で説明するよりも、とりあえずやってみせることが多いです。
みなさんは、どのタイプでしたか?
人それぞれ、どの感覚の入り口が大きいのかは違いますが、3つそれぞれの入り口を使って、脳内の情報のバランスをとっています。
さて、里美さんは、何かを作りたい、染め物のコースにした、裸足で歩きたい、という欲求があることから、③の体性感覚の入り口が大きなタイプ。今の生活は、雑誌の切り抜きを集めたり、ラジオをつけっぱなしにして①視覚、②聴覚の情報が入るようになっていますが、里美さんの脳は、「③の体性感覚(触ったり体を動かしたりする)が刺激されることがもっとあればなー」と感じている様子です。
いつも黒っぽい洋服を選びがちな里美さん。ピンクの服を買ってはみるものの、なんか違うなーといつも着替えてしまう。これは①の視覚を基準にして選んだ場合ですね。
そこで、里美さんの脳に不足がちな③の体性感覚を基準に選んでみましょう。ピンクの服の素材や型はどうでしょうか。イマイチ着心地がしっくりこないのは、色のせいではないのかもしれません。
いつもの黒い服はどんなところが好きですか? 「さらっとした素材」「軽い」「動きやすい」など、の基準にあてはまるピンクの洋服ならしっくりくると思います。
生活の中で、「○○したいなー」と思ったら、それは視覚、聴覚、体性感覚のどれを欲しているのか。それが分かると、上手に素敵なものが選べて、自分らしいスタイルがつくれそうですね。
Posted by 日刊いーしず at 12:00