2013年12月19日
第8回 里美の場合vol.3
里美の場合・・・過去の記事はこちら。 里美vol.1/里美vol.2
里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
◆ある1日の様子/
・旦那さんが出張で不在の時、何もやる気が出なくなる。何もしないで部屋でテレビだけを見て夜更かしをしてしまう。

旦那さんがいるときは家事などもまったくイヤではなくできるのに、ひとりのときはスイッチが入らない。そんなときでも、仕事のスイッチは会社に来るとすぐに入る。常にやる気がなくなるわけではないのに、どうしてひとりになると体が動かなくなってしまんだろう。

いつもは仕事も家事も難なくこなせる里美さん。ひとりの時間になるとなぜかやる気がなくなってしまう。これは、性格や意思の強さではなく、脳のクセが原因です。
脳がやる気になるには、ある条件があります。
脳は、「50%は経験済みだけど、残りの50%はやってみないと分からない」という状況でやる気になります。これは『発達の最近接領域』と呼ばれ、私たちが日々成長するためにとても重要な脳のクセです。
経験済みのことを前にすると、脳は、それをやれば結果がどうなるのか、おおむね予測が立ちます。脳が結果を予測できる行動は、すでに脳の中では「自動化」された行動です。何も考えずに実行することができるので、「退屈」してしまい、やる気は起こりません。
一方で、経験済みのことが極端に少ない課題に直面したときは、全然予測が立ちません。脳が予測できない状況を、私たちは「ストレス」と呼びます。何から手を付けて良いのかわからない状況になるとストレスを感じてイライラしたり無気力になるなど、やる気は起こりません。
例えば、共同作業をするときに、相手から一方的にやり方を押しつけられる場合は、予測できないことが多いのでストレスを感じ、やる気が起こりません。でも、相手が自分のやり方に全然関心を持たない場合でも、退屈になってしまい、やる気が起こらないというわけです。
何か新しいことに挑戦するときは、いつも一緒にいる人にサポートしてもらう。いつも同じ作業でマンネリ化しているときは、いつもと違う人とペアで作業をしてみる。このようなちょっとした工夫をすれば、脳は無理なくやる気になります。

さて、里美さんがいつも難なく目の前のことをこなせているのは、自分だけで解決できることに旦那さんや職場の人が予想外のことを持ちかける可能性がある状況、つまり『発達の最近接領域』にあるからです。
旦那さんは、自分のやり方を強く要求したり、または里美さんのやり方に完全に無関心なわけではないので、適度に「やってみないと分からない」状況をつくってくれているパートナーだと言えます。
日常的に『発達の最近接領域』を作られている要因がなくなると、パタッとやる気がなくなってしまう。旦那さんがいないと何もやる気が出ない。でも、仕事場に行けばすぐにやる気になる。
これは、気のゆるみではなく、脳のクセが影響していたということです。自分にとって『発達の最近接領域』をつくってくれる人を、大切にしたいですね。
里美、34歳、会社員。内勤の事務職で、広告営業マンのサポートを行っている。営業マンからもサポートスタッフからも頼られる「姐さん」的なポジション。
◆ある1日の様子/
・旦那さんが出張で不在の時、何もやる気が出なくなる。何もしないで部屋でテレビだけを見て夜更かしをしてしまう。

旦那さんがいるときは家事などもまったくイヤではなくできるのに、ひとりのときはスイッチが入らない。そんなときでも、仕事のスイッチは会社に来るとすぐに入る。常にやる気がなくなるわけではないのに、どうしてひとりになると体が動かなくなってしまんだろう。

いつもは仕事も家事も難なくこなせる里美さん。ひとりの時間になるとなぜかやる気がなくなってしまう。これは、性格や意思の強さではなく、脳のクセが原因です。
脳がやる気になるには、ある条件があります。
脳は、「50%は経験済みだけど、残りの50%はやってみないと分からない」という状況でやる気になります。これは『発達の最近接領域』と呼ばれ、私たちが日々成長するためにとても重要な脳のクセです。
経験済みのことを前にすると、脳は、それをやれば結果がどうなるのか、おおむね予測が立ちます。脳が結果を予測できる行動は、すでに脳の中では「自動化」された行動です。何も考えずに実行することができるので、「退屈」してしまい、やる気は起こりません。
一方で、経験済みのことが極端に少ない課題に直面したときは、全然予測が立ちません。脳が予測できない状況を、私たちは「ストレス」と呼びます。何から手を付けて良いのかわからない状況になるとストレスを感じてイライラしたり無気力になるなど、やる気は起こりません。
例えば、共同作業をするときに、相手から一方的にやり方を押しつけられる場合は、予測できないことが多いのでストレスを感じ、やる気が起こりません。でも、相手が自分のやり方に全然関心を持たない場合でも、退屈になってしまい、やる気が起こらないというわけです。
何か新しいことに挑戦するときは、いつも一緒にいる人にサポートしてもらう。いつも同じ作業でマンネリ化しているときは、いつもと違う人とペアで作業をしてみる。このようなちょっとした工夫をすれば、脳は無理なくやる気になります。

さて、里美さんがいつも難なく目の前のことをこなせているのは、自分だけで解決できることに旦那さんや職場の人が予想外のことを持ちかける可能性がある状況、つまり『発達の最近接領域』にあるからです。
旦那さんは、自分のやり方を強く要求したり、または里美さんのやり方に完全に無関心なわけではないので、適度に「やってみないと分からない」状況をつくってくれているパートナーだと言えます。
日常的に『発達の最近接領域』を作られている要因がなくなると、パタッとやる気がなくなってしまう。旦那さんがいないと何もやる気が出ない。でも、仕事場に行けばすぐにやる気になる。
これは、気のゆるみではなく、脳のクセが影響していたということです。自分にとって『発達の最近接領域』をつくってくれる人を、大切にしたいですね。
Posted by 日刊いーしず at 12:00
2013年12月05日
第7回 英子の場合vol.3
英子の場合・・・過去の記事はこちら。 英子vol.1/英子vol.2
英子、29歳、会社員。肩書はあるセクションの長。
上司から任されているはずの企画に最終段階で修正が入る。「結局自分に任せてくれていないのか・・・」と苛立つ。上司からは「悪いね」と言いつつ「でもやってね」と。これでは何も言えなくなる。自分で企画をつくる面白さが分かって自信もついてきた。でも、任されていないと気づくと、ガクッとやる気がなくなってしまう。

自分は面白い企画をつくれると思う。今はそれに対して具体的なアクションはしていないが、やってみたいことがある。誰にも話していないけど、その夢をいつか現実にする。

上司からの修正にガクッとやる気をなくしてしまった英子さん。
私たちは、仕事を一任されると責任感とともにやる気もわきます。上司の立場では、部下のやる気を引き出しつつ、作業の軌道修正をしたいもの。お互いにやる気をもって仕事をしたいと思っているのに、結果的に英子さんはやる気をそがれてしまいました。
実は、このコミュニケーションのすれ違いには、男女の脳の違いが関係しています。
男性の脳と女性の脳は、解剖学的に構造が違います。
例えば、女性は男性に比べて創造性をつかさどる前頭葉が大きい。一方男性は、敵を発見して体の準備をする扁桃体(へんとうたい)や視床下部(ししょうかぶ)が大きいことが知られています。
そのような男女の脳の違いがもっとも顕著にみられるのが、感覚性言語野(かんかくせいげんごや)。女性はこの部分が男性より平均12%も神経の密度が濃いのです。
感覚性言語野が担っている役割は、「共感」すること。話の内容や文章を理解する力が、女性の方が得意な傾向があります。女性には共感が大切。そういえば、人気店やベストセラーは、女性の口コミによって生まれますよね。女性は、相手が話した内容を、脳内で「あたかも自分が体験した」ように感じとることができるのです。
一方で、この「共感」が弱い男性は、ものごとを関連付けることで理解しようとします。つまり、男性には因果関係が大切なのです。

この脳の違いは、作業を進めるときの声をかけるタイミングによく現れます。
女性の脳は、相手の行動から意図を察することが得意です。任せた作業の途中で、「面白そうだね」と声をかけると、自分の作業に関心をもっていることが伝わり、やる気が出やすい傾向があります。
作業を修正させたいならば、「こうするともっと面白いかも」と、途中でアイデアを投げかけるのも良い方法です。
男性の脳は、相手の行動が自分の行動とどんな関係があるのかを理解しようとするので、任せた作業の途中で「どう?」などと不用意に声をかけることで「信用されていない」と思われたり、プレッシャーに感じてしまうことがあります。
男性には、結果を出してから、その結果に対して声をかけましょう。出た結果を振り返りながら、途中の作業の間違いと結果との関係「原因と結果」を明らかにすると、相手は理解しやすいです。
女性はプロセスが大切。男性は結果が大切。
それぞれゴールへの道のりが違うということを理解しておきましょう。

さて、英子さんはというと。
「任せる」という言葉の通りに途中のプロセスを一人で歩み、最終的に修正されてしまったので、自分の企画に「関心をもたれていない」と感じたのでは。途中のプロセスで共感を得ておけば、最後にガクッとやる気を失うことはありません。
自分が「面白い」と思った作業を周囲に話すのも、プロセスを共有し、さらに質の良いものに発展できるポイントです。
いつかは自分の夢を。それを誰にも話さずにふつふつと考えていると、いざというときにガクッとやる気がなくなってしまうかも。最初から明確なゴールを目指さず、そのとき感じたことを周りの人と共有しながらぐるぐる進んでいくのが、自分の脳にとっては実は近道だということも知っておくと良いですね。
英子、29歳、会社員。肩書はあるセクションの長。
上司から任されているはずの企画に最終段階で修正が入る。「結局自分に任せてくれていないのか・・・」と苛立つ。上司からは「悪いね」と言いつつ「でもやってね」と。これでは何も言えなくなる。自分で企画をつくる面白さが分かって自信もついてきた。でも、任されていないと気づくと、ガクッとやる気がなくなってしまう。

自分は面白い企画をつくれると思う。今はそれに対して具体的なアクションはしていないが、やってみたいことがある。誰にも話していないけど、その夢をいつか現実にする。

上司からの修正にガクッとやる気をなくしてしまった英子さん。
私たちは、仕事を一任されると責任感とともにやる気もわきます。上司の立場では、部下のやる気を引き出しつつ、作業の軌道修正をしたいもの。お互いにやる気をもって仕事をしたいと思っているのに、結果的に英子さんはやる気をそがれてしまいました。
実は、このコミュニケーションのすれ違いには、男女の脳の違いが関係しています。
男性の脳と女性の脳は、解剖学的に構造が違います。
例えば、女性は男性に比べて創造性をつかさどる前頭葉が大きい。一方男性は、敵を発見して体の準備をする扁桃体(へんとうたい)や視床下部(ししょうかぶ)が大きいことが知られています。
そのような男女の脳の違いがもっとも顕著にみられるのが、感覚性言語野(かんかくせいげんごや)。女性はこの部分が男性より平均12%も神経の密度が濃いのです。
感覚性言語野が担っている役割は、「共感」すること。話の内容や文章を理解する力が、女性の方が得意な傾向があります。女性には共感が大切。そういえば、人気店やベストセラーは、女性の口コミによって生まれますよね。女性は、相手が話した内容を、脳内で「あたかも自分が体験した」ように感じとることができるのです。
一方で、この「共感」が弱い男性は、ものごとを関連付けることで理解しようとします。つまり、男性には因果関係が大切なのです。

この脳の違いは、作業を進めるときの声をかけるタイミングによく現れます。
女性の脳は、相手の行動から意図を察することが得意です。任せた作業の途中で、「面白そうだね」と声をかけると、自分の作業に関心をもっていることが伝わり、やる気が出やすい傾向があります。
作業を修正させたいならば、「こうするともっと面白いかも」と、途中でアイデアを投げかけるのも良い方法です。
男性の脳は、相手の行動が自分の行動とどんな関係があるのかを理解しようとするので、任せた作業の途中で「どう?」などと不用意に声をかけることで「信用されていない」と思われたり、プレッシャーに感じてしまうことがあります。
男性には、結果を出してから、その結果に対して声をかけましょう。出た結果を振り返りながら、途中の作業の間違いと結果との関係「原因と結果」を明らかにすると、相手は理解しやすいです。
女性はプロセスが大切。男性は結果が大切。
それぞれゴールへの道のりが違うということを理解しておきましょう。

さて、英子さんはというと。
「任せる」という言葉の通りに途中のプロセスを一人で歩み、最終的に修正されてしまったので、自分の企画に「関心をもたれていない」と感じたのでは。途中のプロセスで共感を得ておけば、最後にガクッとやる気を失うことはありません。
自分が「面白い」と思った作業を周囲に話すのも、プロセスを共有し、さらに質の良いものに発展できるポイントです。
いつかは自分の夢を。それを誰にも話さずにふつふつと考えていると、いざというときにガクッとやる気がなくなってしまうかも。最初から明確なゴールを目指さず、そのとき感じたことを周りの人と共有しながらぐるぐる進んでいくのが、自分の脳にとっては実は近道だということも知っておくと良いですね。
Posted by 日刊いーしず at 12:00