2014年01月23日
第10回 英子の場合vol.4
英子の場合・・・過去の記事はこちら。 英子vol.1/英子vol.2/英子vol.3
英子、29歳、会社員。肩書はあるセクションの長。
今の仕事はパッとひらめいたアイデアが形になっていくのが面白いし、重要なポジションにやりがいも感じている。自分自身でどっしり腰を据えて面白いものを書いてみたいとも思っている。それが何なのかはハッキリ分からず、毎日忙しく生活している。
自信はある。やってみたい!チャレンジをしてみたい!
これまでの「脳のクセ活用」で、自分のペースを乱されることや自分の仕事に手を加えられることも、自分を成長させていることが分かってきた。自分の気持ちが先に走り過ぎると、他人のアドバイスから新しい発見できなくなってしまう。
自分のルールを他人に乱されることで、自分が思い描いていたものよりも、もっと面白い結果が生まれるのかも!


何でも自分で解決しようと思っていた英子さんは、自分以外のやり方で良い結果が生まれることがあることも分かった様子ですね。
人間の脳は、いつも通りのパターンを崩されたときに、大きく成長します。
脳は、エネルギーを貯蓄できない構造なので、常に消費し続けます。
膨大なエネルギーを消費するので、省エネで働けるように、一度通った神経の道をパターン化して、いつも同じ道を通るようにしています。

他人にペースを乱されると、このパターンが崩されるので、「どうしよう!」とバタバタと普段使わない神経を動員して、何とか解決に導こうとします。

この普段を違うパターンで働いたときに、今までと同じパターンでは解決できなかった新しいパターンが生まれるのです。
極端な例では、右手を動かす左の脳を事故で損傷すると、左手を動かす右の脳で、右手を動かすように働きます。私たち、リハビリテーションの専門職は、脳が大きなダメージを受けたことによって、新しいパターンを創り出そうとしているのを助けているのです。

新しいパターンを学習すると、自分には出来ないと思っていたことが、違う形でできることに気づきます。脳の神経が遠回りをしたことで、狭くなっていた視野が広がり、自分が本当に求めることへの最短距離が見つかるのです。
脳は、新しいパターンを生み出した後、睡眠中に、生み出すまでのバタバタと無駄に使った神経を排除し、その道を主要な道路に作り変えます。
私たちは、毎日この作業を通して成長し続けているのです。
自分の考えを変えられるのが苦手だったのは、大量のエネルギーを消費するからだということ。その消費の先には、新しい自分の脳が出来上がると思うと、他人に乱されること自体も、楽しくなってきますね。
夢に向かって進む英子さん。ひょんなことから目標への行動を他人に邪魔されることがあるかもしれませんが、そのときが本当に前進するときです。
英子、29歳、会社員。肩書はあるセクションの長。
今の仕事はパッとひらめいたアイデアが形になっていくのが面白いし、重要なポジションにやりがいも感じている。自分自身でどっしり腰を据えて面白いものを書いてみたいとも思っている。それが何なのかはハッキリ分からず、毎日忙しく生活している。
自信はある。やってみたい!チャレンジをしてみたい!
これまでの「脳のクセ活用」で、自分のペースを乱されることや自分の仕事に手を加えられることも、自分を成長させていることが分かってきた。自分の気持ちが先に走り過ぎると、他人のアドバイスから新しい発見できなくなってしまう。
自分のルールを他人に乱されることで、自分が思い描いていたものよりも、もっと面白い結果が生まれるのかも!


何でも自分で解決しようと思っていた英子さんは、自分以外のやり方で良い結果が生まれることがあることも分かった様子ですね。
人間の脳は、いつも通りのパターンを崩されたときに、大きく成長します。
脳は、エネルギーを貯蓄できない構造なので、常に消費し続けます。
膨大なエネルギーを消費するので、省エネで働けるように、一度通った神経の道をパターン化して、いつも同じ道を通るようにしています。

他人にペースを乱されると、このパターンが崩されるので、「どうしよう!」とバタバタと普段使わない神経を動員して、何とか解決に導こうとします。

この普段を違うパターンで働いたときに、今までと同じパターンでは解決できなかった新しいパターンが生まれるのです。
極端な例では、右手を動かす左の脳を事故で損傷すると、左手を動かす右の脳で、右手を動かすように働きます。私たち、リハビリテーションの専門職は、脳が大きなダメージを受けたことによって、新しいパターンを創り出そうとしているのを助けているのです。

新しいパターンを学習すると、自分には出来ないと思っていたことが、違う形でできることに気づきます。脳の神経が遠回りをしたことで、狭くなっていた視野が広がり、自分が本当に求めることへの最短距離が見つかるのです。
脳は、新しいパターンを生み出した後、睡眠中に、生み出すまでのバタバタと無駄に使った神経を排除し、その道を主要な道路に作り変えます。
私たちは、毎日この作業を通して成長し続けているのです。
自分の考えを変えられるのが苦手だったのは、大量のエネルギーを消費するからだということ。その消費の先には、新しい自分の脳が出来上がると思うと、他人に乱されること自体も、楽しくなってきますね。
夢に向かって進む英子さん。ひょんなことから目標への行動を他人に邪魔されることがあるかもしれませんが、そのときが本当に前進するときです。
Posted by 日刊いーしず at 12:00
2013年12月05日
第7回 英子の場合vol.3
英子の場合・・・過去の記事はこちら。 英子vol.1/英子vol.2
英子、29歳、会社員。肩書はあるセクションの長。
上司から任されているはずの企画に最終段階で修正が入る。「結局自分に任せてくれていないのか・・・」と苛立つ。上司からは「悪いね」と言いつつ「でもやってね」と。これでは何も言えなくなる。自分で企画をつくる面白さが分かって自信もついてきた。でも、任されていないと気づくと、ガクッとやる気がなくなってしまう。

自分は面白い企画をつくれると思う。今はそれに対して具体的なアクションはしていないが、やってみたいことがある。誰にも話していないけど、その夢をいつか現実にする。

上司からの修正にガクッとやる気をなくしてしまった英子さん。
私たちは、仕事を一任されると責任感とともにやる気もわきます。上司の立場では、部下のやる気を引き出しつつ、作業の軌道修正をしたいもの。お互いにやる気をもって仕事をしたいと思っているのに、結果的に英子さんはやる気をそがれてしまいました。
実は、このコミュニケーションのすれ違いには、男女の脳の違いが関係しています。
男性の脳と女性の脳は、解剖学的に構造が違います。
例えば、女性は男性に比べて創造性をつかさどる前頭葉が大きい。一方男性は、敵を発見して体の準備をする扁桃体(へんとうたい)や視床下部(ししょうかぶ)が大きいことが知られています。
そのような男女の脳の違いがもっとも顕著にみられるのが、感覚性言語野(かんかくせいげんごや)。女性はこの部分が男性より平均12%も神経の密度が濃いのです。
感覚性言語野が担っている役割は、「共感」すること。話の内容や文章を理解する力が、女性の方が得意な傾向があります。女性には共感が大切。そういえば、人気店やベストセラーは、女性の口コミによって生まれますよね。女性は、相手が話した内容を、脳内で「あたかも自分が体験した」ように感じとることができるのです。
一方で、この「共感」が弱い男性は、ものごとを関連付けることで理解しようとします。つまり、男性には因果関係が大切なのです。

この脳の違いは、作業を進めるときの声をかけるタイミングによく現れます。
女性の脳は、相手の行動から意図を察することが得意です。任せた作業の途中で、「面白そうだね」と声をかけると、自分の作業に関心をもっていることが伝わり、やる気が出やすい傾向があります。
作業を修正させたいならば、「こうするともっと面白いかも」と、途中でアイデアを投げかけるのも良い方法です。
男性の脳は、相手の行動が自分の行動とどんな関係があるのかを理解しようとするので、任せた作業の途中で「どう?」などと不用意に声をかけることで「信用されていない」と思われたり、プレッシャーに感じてしまうことがあります。
男性には、結果を出してから、その結果に対して声をかけましょう。出た結果を振り返りながら、途中の作業の間違いと結果との関係「原因と結果」を明らかにすると、相手は理解しやすいです。
女性はプロセスが大切。男性は結果が大切。
それぞれゴールへの道のりが違うということを理解しておきましょう。

さて、英子さんはというと。
「任せる」という言葉の通りに途中のプロセスを一人で歩み、最終的に修正されてしまったので、自分の企画に「関心をもたれていない」と感じたのでは。途中のプロセスで共感を得ておけば、最後にガクッとやる気を失うことはありません。
自分が「面白い」と思った作業を周囲に話すのも、プロセスを共有し、さらに質の良いものに発展できるポイントです。
いつかは自分の夢を。それを誰にも話さずにふつふつと考えていると、いざというときにガクッとやる気がなくなってしまうかも。最初から明確なゴールを目指さず、そのとき感じたことを周りの人と共有しながらぐるぐる進んでいくのが、自分の脳にとっては実は近道だということも知っておくと良いですね。
英子、29歳、会社員。肩書はあるセクションの長。
上司から任されているはずの企画に最終段階で修正が入る。「結局自分に任せてくれていないのか・・・」と苛立つ。上司からは「悪いね」と言いつつ「でもやってね」と。これでは何も言えなくなる。自分で企画をつくる面白さが分かって自信もついてきた。でも、任されていないと気づくと、ガクッとやる気がなくなってしまう。

自分は面白い企画をつくれると思う。今はそれに対して具体的なアクションはしていないが、やってみたいことがある。誰にも話していないけど、その夢をいつか現実にする。

上司からの修正にガクッとやる気をなくしてしまった英子さん。
私たちは、仕事を一任されると責任感とともにやる気もわきます。上司の立場では、部下のやる気を引き出しつつ、作業の軌道修正をしたいもの。お互いにやる気をもって仕事をしたいと思っているのに、結果的に英子さんはやる気をそがれてしまいました。
実は、このコミュニケーションのすれ違いには、男女の脳の違いが関係しています。
男性の脳と女性の脳は、解剖学的に構造が違います。
例えば、女性は男性に比べて創造性をつかさどる前頭葉が大きい。一方男性は、敵を発見して体の準備をする扁桃体(へんとうたい)や視床下部(ししょうかぶ)が大きいことが知られています。
そのような男女の脳の違いがもっとも顕著にみられるのが、感覚性言語野(かんかくせいげんごや)。女性はこの部分が男性より平均12%も神経の密度が濃いのです。
感覚性言語野が担っている役割は、「共感」すること。話の内容や文章を理解する力が、女性の方が得意な傾向があります。女性には共感が大切。そういえば、人気店やベストセラーは、女性の口コミによって生まれますよね。女性は、相手が話した内容を、脳内で「あたかも自分が体験した」ように感じとることができるのです。
一方で、この「共感」が弱い男性は、ものごとを関連付けることで理解しようとします。つまり、男性には因果関係が大切なのです。

この脳の違いは、作業を進めるときの声をかけるタイミングによく現れます。
女性の脳は、相手の行動から意図を察することが得意です。任せた作業の途中で、「面白そうだね」と声をかけると、自分の作業に関心をもっていることが伝わり、やる気が出やすい傾向があります。
作業を修正させたいならば、「こうするともっと面白いかも」と、途中でアイデアを投げかけるのも良い方法です。
男性の脳は、相手の行動が自分の行動とどんな関係があるのかを理解しようとするので、任せた作業の途中で「どう?」などと不用意に声をかけることで「信用されていない」と思われたり、プレッシャーに感じてしまうことがあります。
男性には、結果を出してから、その結果に対して声をかけましょう。出た結果を振り返りながら、途中の作業の間違いと結果との関係「原因と結果」を明らかにすると、相手は理解しやすいです。
女性はプロセスが大切。男性は結果が大切。
それぞれゴールへの道のりが違うということを理解しておきましょう。

さて、英子さんはというと。
「任せる」という言葉の通りに途中のプロセスを一人で歩み、最終的に修正されてしまったので、自分の企画に「関心をもたれていない」と感じたのでは。途中のプロセスで共感を得ておけば、最後にガクッとやる気を失うことはありません。
自分が「面白い」と思った作業を周囲に話すのも、プロセスを共有し、さらに質の良いものに発展できるポイントです。
いつかは自分の夢を。それを誰にも話さずにふつふつと考えていると、いざというときにガクッとやる気がなくなってしまうかも。最初から明確なゴールを目指さず、そのとき感じたことを周りの人と共有しながらぐるぐる進んでいくのが、自分の脳にとっては実は近道だということも知っておくと良いですね。
Posted by 日刊いーしず at 12:00
2013年10月24日
第4回 英子の場合vol.2
英子の場合・・・vol.1はこちら
英子、29歳、会社員。
肩書はあるセクションの長。
仕事はデスクワーク中心で、1日中PCに向かい、文章を書いたり、記事のレイアウトをしている。文章を書いているときには、Enterキーを右手の薬指で勢いよく叩くクセがある。節目を刻む音がフロアに響くと「これでどうだ!」と戦闘態勢になり、頭が冴えわたってくる。

周りの人がうるさがっているのかどうかは知らないが。テンポよく仕事をするのって大事だと思う。

Enterキーを叩くことで英子さんが使っているのは、多重感覚入力(たじゅうかんかくにゅうりょく)という仕組みです。
私たちは、見たり(視覚)、聞いたり(聴覚)、触ったり(触覚)することで、今、自分が何をしているのか、それがうまく出来ているのか、ということを判断します。この見たり、聞いたり、触ったりして得た情報は、脳の後方連合野(こうほうれんごうや)という場所に集められます(図の赤丸)。

ここに集められる情報が多ければ多いほど、私たちは自分がどんな行動をしているのかが良くわかり、うまく調整できるので、仕事の効率が上がります。
見るだけより触ってみると、よりその形が正確に理解できたり、触ってみて固い物を叩いて「コンコン」という音がすると、その固さの程度がより分かるのは、脳の後方連合野で、複数の情報が合わさって、よりリアルになったからです。
さて、英子さんは、仕事がノッてくるようにEnterキーを勢いよく叩きます。このときに英子さんの脳では、パソコンで書いた文章の節が、キーボードを触るだけでなく、音を出したことでよりリアルになり、「節目がついたぞ!」と認識しやすくなっているのです。
このように脳の中に入る情報が多くなると、脳はそれだけ精度の高い動きを体に命令することができますし、体が命令通りに良く動けば、「(命令通り)成功した!」とやる気も出てきます。
何かを記憶するときに口に出して節目で手を叩いたり、固い鉛筆で「コツコツ」と机の音が聞こえるように書いているときはアイデアが浮かぶ、なんていうのも、同じことです。こんな癖がある方は、自分の能力を高めるために、うまく脳に入る情報を増やしているということです。
文字を書くときに筆圧が強くなり過ぎてしまう人は、固めのノートや鉛筆を使う。いつもメモが手帳の罫線からはみ出してしまう人は、大きめの手帳を使う。こんなふうに普段使う道具を、自分のクセを基準に選んでみると、仕事の効率もアップするはずです。
英子、29歳、会社員。
肩書はあるセクションの長。
仕事はデスクワーク中心で、1日中PCに向かい、文章を書いたり、記事のレイアウトをしている。文章を書いているときには、Enterキーを右手の薬指で勢いよく叩くクセがある。節目を刻む音がフロアに響くと「これでどうだ!」と戦闘態勢になり、頭が冴えわたってくる。

周りの人がうるさがっているのかどうかは知らないが。テンポよく仕事をするのって大事だと思う。

Enterキーを叩くことで英子さんが使っているのは、多重感覚入力(たじゅうかんかくにゅうりょく)という仕組みです。
私たちは、見たり(視覚)、聞いたり(聴覚)、触ったり(触覚)することで、今、自分が何をしているのか、それがうまく出来ているのか、ということを判断します。この見たり、聞いたり、触ったりして得た情報は、脳の後方連合野(こうほうれんごうや)という場所に集められます(図の赤丸)。

ここに集められる情報が多ければ多いほど、私たちは自分がどんな行動をしているのかが良くわかり、うまく調整できるので、仕事の効率が上がります。
見るだけより触ってみると、よりその形が正確に理解できたり、触ってみて固い物を叩いて「コンコン」という音がすると、その固さの程度がより分かるのは、脳の後方連合野で、複数の情報が合わさって、よりリアルになったからです。
さて、英子さんは、仕事がノッてくるようにEnterキーを勢いよく叩きます。このときに英子さんの脳では、パソコンで書いた文章の節が、キーボードを触るだけでなく、音を出したことでよりリアルになり、「節目がついたぞ!」と認識しやすくなっているのです。
このように脳の中に入る情報が多くなると、脳はそれだけ精度の高い動きを体に命令することができますし、体が命令通りに良く動けば、「(命令通り)成功した!」とやる気も出てきます。
何かを記憶するときに口に出して節目で手を叩いたり、固い鉛筆で「コツコツ」と机の音が聞こえるように書いているときはアイデアが浮かぶ、なんていうのも、同じことです。こんな癖がある方は、自分の能力を高めるために、うまく脳に入る情報を増やしているということです。
文字を書くときに筆圧が強くなり過ぎてしまう人は、固めのノートや鉛筆を使う。いつもメモが手帳の罫線からはみ出してしまう人は、大きめの手帳を使う。こんなふうに普段使う道具を、自分のクセを基準に選んでみると、仕事の効率もアップするはずです。
Posted by 日刊いーしず at 12:00
2013年09月05日
第1回 英子の場合vol.1
日常よく見られるクセや習慣、趣味は、実は、脳の働きにとって重要な意味をもっています。脳が求めてしているクセもあれば、そのクセがあることで何だか毎日がうまくいかなくなっているということもあります。
このコラム「クセ活用術」では、3人の人物に登場していただきます。

彼らの日常を見ていきながら、それぞれのクセや習慣をしているときの、脳の中をのぞいてみましょう。
すると、もっとイキイキと、自分らしく生きていくためには、実は、毎日の何気ない行動にチャンスがあるとことが分かってくるはずです。
登場人物3人のゆくえを見守りながら、皆さん自身の生活を充実させていきましょう。
◆英子の場合 vol.1
英子、29歳、会社員。肩書はあるセクションの長。
仕事はデスクワーク中心で、1日中PCに向かい、文章を書いたり、記事のレイアウトをしている。
企画の採択やチェックなど全体を見渡して調整していく役割。
今の仕事はパッとひらめいたアイデアが形になっていくのが面白いし、重要なポジションにやりがいも感じている。ただ、一方で、自分の考えを実現するために会社の中でどう振る舞えば良いのかというのは迷うことが多い。自分自身でどっしり腰を据えて面白いものを書いてみたいとも思っている。それが何なのかはハッキリ分からず、毎日忙しく生活している。

【英子のとある朝の様子】
朝は大抵目覚ましが鳴る前に起きる。
カーテンを開けて、ラジオをつける。テレビは見ない。
ベランダに出て、いつもなんとなく富士山の位置を確認する。
ベランダガーデニングで育てている植物に水をやりながら、葉っぱについている虫がいないかを細かく探す。「週末留守にするときに水があげられないけど、枯れないかなぁ・・・」と考えながら。鉢植えを見ながら「もう少し大きい鉢に移してあげればいいのになぁ・・・」と思いつつ、今日もなんとなくそのままにしている。
食事は、冷凍しておいたパンを焼いてかじる。
週末に趣味の登山に行くため、サイトを見ながらどのルートにしようかを考える。

お茶を飲んで、ごみを出してから歩いて出社。
通勤中にいつも通学の中学生たちを見る。ふと「みんな同じ制服を着て同じ場所に行くのか・・・。なんかそういうのイヤだなぁ・・・」と考える。

脳が何かの問題を解決しようとするとき、2種類の働き方があります。
① 「同時処理(どうじしょり)」と②「経次処理(けいじしょり)」です。
例えば、旅行の計画を立てるシーンを思い浮かべてください。
海に行くとして、あなたはどちらのタイプですか?
①行先の情景を思い浮かべて盛り上がる

②行先までの行き方を調べてルートを考える

①の方は「同時処理」タイプです。脳の別々の場所が同時に働いて、パッとひらめきます。人が考えつかないアイデアをひらめくのが得意で、いつも完成した状態が頭に浮かび、それに向かって作業を進めるトップダウン思考の持ち主。細かい決め事が嫌いで、「だいたいこんな感じで」とイメージが共有できればスムーズにことを進めることができます。ただし、話が飛ぶことが多く、脈絡がないこともしばしば。順番通り用事を済ますのが苦手で「ついでにこれもやっちゃえば」と脇道にそれやすい。
②の方は「経次処理」タイプです。脳のしかるべき場所が順番に働いて、「分かった!」となります。物事の法則性を見抜くのが得意で、いつも目的を達成するための作業手順を頭に浮かべるボトムアップ思考の持ち主。自分が決めた手順が乱されることが嫌いで、順番通りことが進んだこと自体に満足します。ただし、予定外の事態に対応することが苦手で、決定していたはずのことが変わったりするとイラッと。どういう順番で予定を組んだかを人に説明することが多く、目的を見失いやすい。
みなさんは、どちらのタイプでしたか?
脳のタイプによって、処理方法が異なるわけですが、この2つのタイプは、どちらかに偏っているという意味であって、どちらも私たちの脳の中には存在しています。両方の処理方法を使い分けながら、毎日しなやかに生活をしているわけです。この2つのタイプがバランスよく使えれば、どんな問題もササッと解決できそうですよね。「このバランスよく使う」ということを無意識に行っているのが、「クセ」です。
さて、英子さんの脳はというと、パっとひらめく同時処理タイプ。同じ制服を着て同じ学校に通う中学生を見ると、「もっと自由に個性を大事にすべき」と思ったりします。しかし、そんな英子さんは社会人になってちょっと変わってきたみたい。会社組織の中で、目的を果たすためには、誰に、どの順番で話を通すか、という順番通りの行動が大事だということも、感じてきました(本人は気づいていませんが)。同時処理タイプの英子さんにとって、会社の中で重要なポジションをこなすには、ちょっと酷な部分も。「バーッとやっちゃえばいいじゃん!」という気持ちを抑えつつ、周りの社員のペースも重要視しなければいけません。
そんな英子さんに対して、英子さんの脳は、英子さんに経次処理の課題を少しずつ与えて、順番通り処理する脳を鍛え始めました。まずはラジオ。テレビのように完成イメージが視覚的に飛び込んでくるものではなく、順番通り話が展開していきます。そして、葉っぱについた虫探し。全体像ではなく、細部を順番に見ていく脳を鍛えます。
経次処理脳を鍛えつつも、そちらに偏りすぎないように調整しているのが、富士山の位置を確認する行為。自分がどの位置を軸に立っているのかという全体像をつかむ脳もバランスよく使っておきます。
そして、登山です。社会人になってから「山ガール」デビューをした英子さん。登山の中の、工程表をつくって十分な準備をして、順番通り目標を達成していくという要素で、経次処理脳を鍛えています。さらに、登山にはイレギュラーな出来事もつきもの。立てた予定通りいかない場合の臨機応変は、英子さんのお手の物。継次処理脳を鍛えながら、得意な同時処理脳を活かす、まさに英子さんの脳をバランスよく使う格好のアクティビティが登山だということです。
英子さんの朝は、得意なひらめき能力を、会社組織の中で開花させるための絶妙な習慣(クセ)で構成されていました。
毎日の何気ないクセ。脳の仕組みが分かると、それ自体を大事に行うことができますね。そうすれば、もっと毎日がうまく回りだします!
このコラム「クセ活用術」では、3人の人物に登場していただきます。

彼らの日常を見ていきながら、それぞれのクセや習慣をしているときの、脳の中をのぞいてみましょう。
すると、もっとイキイキと、自分らしく生きていくためには、実は、毎日の何気ない行動にチャンスがあるとことが分かってくるはずです。
登場人物3人のゆくえを見守りながら、皆さん自身の生活を充実させていきましょう。
◆英子の場合 vol.1
英子、29歳、会社員。肩書はあるセクションの長。
仕事はデスクワーク中心で、1日中PCに向かい、文章を書いたり、記事のレイアウトをしている。
企画の採択やチェックなど全体を見渡して調整していく役割。
今の仕事はパッとひらめいたアイデアが形になっていくのが面白いし、重要なポジションにやりがいも感じている。ただ、一方で、自分の考えを実現するために会社の中でどう振る舞えば良いのかというのは迷うことが多い。自分自身でどっしり腰を据えて面白いものを書いてみたいとも思っている。それが何なのかはハッキリ分からず、毎日忙しく生活している。

【英子のとある朝の様子】
朝は大抵目覚ましが鳴る前に起きる。
カーテンを開けて、ラジオをつける。テレビは見ない。
ベランダに出て、いつもなんとなく富士山の位置を確認する。
ベランダガーデニングで育てている植物に水をやりながら、葉っぱについている虫がいないかを細かく探す。「週末留守にするときに水があげられないけど、枯れないかなぁ・・・」と考えながら。鉢植えを見ながら「もう少し大きい鉢に移してあげればいいのになぁ・・・」と思いつつ、今日もなんとなくそのままにしている。
食事は、冷凍しておいたパンを焼いてかじる。
週末に趣味の登山に行くため、サイトを見ながらどのルートにしようかを考える。

お茶を飲んで、ごみを出してから歩いて出社。
通勤中にいつも通学の中学生たちを見る。ふと「みんな同じ制服を着て同じ場所に行くのか・・・。なんかそういうのイヤだなぁ・・・」と考える。

脳が何かの問題を解決しようとするとき、2種類の働き方があります。
① 「同時処理(どうじしょり)」と②「経次処理(けいじしょり)」です。
例えば、旅行の計画を立てるシーンを思い浮かべてください。
海に行くとして、あなたはどちらのタイプですか?
①行先の情景を思い浮かべて盛り上がる

②行先までの行き方を調べてルートを考える

①の方は「同時処理」タイプです。脳の別々の場所が同時に働いて、パッとひらめきます。人が考えつかないアイデアをひらめくのが得意で、いつも完成した状態が頭に浮かび、それに向かって作業を進めるトップダウン思考の持ち主。細かい決め事が嫌いで、「だいたいこんな感じで」とイメージが共有できればスムーズにことを進めることができます。ただし、話が飛ぶことが多く、脈絡がないこともしばしば。順番通り用事を済ますのが苦手で「ついでにこれもやっちゃえば」と脇道にそれやすい。
②の方は「経次処理」タイプです。脳のしかるべき場所が順番に働いて、「分かった!」となります。物事の法則性を見抜くのが得意で、いつも目的を達成するための作業手順を頭に浮かべるボトムアップ思考の持ち主。自分が決めた手順が乱されることが嫌いで、順番通りことが進んだこと自体に満足します。ただし、予定外の事態に対応することが苦手で、決定していたはずのことが変わったりするとイラッと。どういう順番で予定を組んだかを人に説明することが多く、目的を見失いやすい。
みなさんは、どちらのタイプでしたか?
脳のタイプによって、処理方法が異なるわけですが、この2つのタイプは、どちらかに偏っているという意味であって、どちらも私たちの脳の中には存在しています。両方の処理方法を使い分けながら、毎日しなやかに生活をしているわけです。この2つのタイプがバランスよく使えれば、どんな問題もササッと解決できそうですよね。「このバランスよく使う」ということを無意識に行っているのが、「クセ」です。
さて、英子さんの脳はというと、パっとひらめく同時処理タイプ。同じ制服を着て同じ学校に通う中学生を見ると、「もっと自由に個性を大事にすべき」と思ったりします。しかし、そんな英子さんは社会人になってちょっと変わってきたみたい。会社組織の中で、目的を果たすためには、誰に、どの順番で話を通すか、という順番通りの行動が大事だということも、感じてきました(本人は気づいていませんが)。同時処理タイプの英子さんにとって、会社の中で重要なポジションをこなすには、ちょっと酷な部分も。「バーッとやっちゃえばいいじゃん!」という気持ちを抑えつつ、周りの社員のペースも重要視しなければいけません。
そんな英子さんに対して、英子さんの脳は、英子さんに経次処理の課題を少しずつ与えて、順番通り処理する脳を鍛え始めました。まずはラジオ。テレビのように完成イメージが視覚的に飛び込んでくるものではなく、順番通り話が展開していきます。そして、葉っぱについた虫探し。全体像ではなく、細部を順番に見ていく脳を鍛えます。
経次処理脳を鍛えつつも、そちらに偏りすぎないように調整しているのが、富士山の位置を確認する行為。自分がどの位置を軸に立っているのかという全体像をつかむ脳もバランスよく使っておきます。
そして、登山です。社会人になってから「山ガール」デビューをした英子さん。登山の中の、工程表をつくって十分な準備をして、順番通り目標を達成していくという要素で、経次処理脳を鍛えています。さらに、登山にはイレギュラーな出来事もつきもの。立てた予定通りいかない場合の臨機応変は、英子さんのお手の物。継次処理脳を鍛えながら、得意な同時処理脳を活かす、まさに英子さんの脳をバランスよく使う格好のアクティビティが登山だということです。
英子さんの朝は、得意なひらめき能力を、会社組織の中で開花させるための絶妙な習慣(クセ)で構成されていました。
毎日の何気ないクセ。脳の仕組みが分かると、それ自体を大事に行うことができますね。そうすれば、もっと毎日がうまく回りだします!
Posted by 日刊いーしず at 12:00